テイストスケール法の醍醐味、五感とファッションコーディネート

年の瀬も押し迫って参りました。
この一年は我々も新たなテーマを求められる年となりました。

それがなにかと言いますと、三年余りのコロナ禍を経て、カラー&ファッションのコンサルティング業界にも、かつてとは色合いの異なるニーズが増えて来たこと。そしてそれに伴い、テイストスケール法を用いた22テイストイメージ診断のコンサルティングを受けてくださる方々が、目に見えて増えてまいりました。それはとても喜ばしいことなのですが、その結果、このメソッドの解釈がまちまちになり、一人歩きし始めて来たという問題があります。

コンサルティングにおいては、ご提案をするコンサルタント側と、受けていただくお客様側が、同じ物差しでファッションを見て考え、同じ言葉でそれを伝え合えることが重要です。そうでなければ互いにすれ違いが生じ、コンサルタントはせっかくの知識やスキルをお客様にお伝えすることができず、お客様は求めているアドバイスが得られないということになります。コンサルタントのご提案が的確にお客様に伝われば、お客様は新たに獲得した知識やスキルを確実に実践に活かすことができるようになります。そのためには、互いに視点や解釈を共有してコンサルティングを進めていくことが必要です。

22テイストイメージ診断においては、「視点や解釈を共有」するためのツールとして、テイストスケール法を用いています。テイストスケール法は直感的に理解しやすいメソッドなのですが、それだけに正確に言語化することが難しく、「わかる人はすぐわかるけれど、わからない人には永遠にわからない」という状況が発生しがちです(感性や感覚が重要となる分野ではよくあることですが)。「わからない」の部分は個々に様々な解釈がなされるため、これをそのままにしてしまっては、22テイストイメージ診断とは本当はどういうものなのかということが伝わらず、本質が見落とされたまま広まってしまう可能性があります。今年は、伝える側にも伝えられる側にも優しい誤解の生まれにくいコミュニケーションプロトコルの確立という課題に対して、明確な解決策を打ち出す時期に来たことということをひしひしと肌で感じた年になったのです。

振り返れば、2000年よりテイストスケール法によるファッションコンサルティングのプロを育成しはじめ、25年が経とうとしています。故佐藤邦夫先生がテイストスケール法を開発した70年代は、時代の意識が「衆から個へ」変わっていった頃でした。「みんなが持っているもの」ではなく、「私らしいもの」が求められるようになっていったのです。私が佐藤先生とプロ養成コースを始めた2000年代は、個人向けのパーソナルファッションコンサルティングが高度に発展する兆しを感じる時期でした。現在では、パーソナルカラー、骨格診断、顔タイプ診断など、自分に合うファッションコーディネートを探るための多種多様なアプローチが存在しています。「私とは?」という問いが個々のファッションにとってさらに重要なテーマとなってきており、自分についての深い探求を求める方々が増えているのを感じます。

私はこうした多種多様のアプローチの全てが、(多かれ少なかれ)有用なアイディアであると考えています。そうした中で、22テイストイメージ診断がどのように位置付けられるのか、その重要性を含めて、皆様にしっかりお伝えすることが必要であると、ここへ来て痛切に感じるようになりました。テイストスケール法ではかねてから「五感」というテーマを強く押し出していますが、その理由や、五感がどのようにファッションコーディネートの設計に関連するのかの説明、五感とイメージの関係、それらの整理がやっとできましたので、もう少しお時間をいただきますが、執筆中の本の中でお知らせします。

自分らしいファッション、他人が見ても美しいと感じてもらえるファッション、そんなトータルファッションコーディネートを、モヤモヤした中から抜け出せる納得感、満足感、安心感を得られることを最終目的地にして、自他共に感動の響きを、テイストスケール法による22テイストイメージ診断から得られるようにしていくつもりです。

2024年もどうぞ、よろしくお願いいたします。